2017年 10月 26日
松の司 純米吟醸 楽[松瀬酒造]

醸造元:松瀬酒造株式会社
URL:http://matsunotsukasa.com/
住所:滋賀県蒲生郡竜王町弓削475
電話:0748-58-0009
創業:万延元年(1860)
使用米:山田錦(滋賀県産)
精米歩合:60%
日本酒度:+4.0
酸度:1.5
アミノ酸度:-
アルコール度:15度以上16度未満
購入価格:720ml:1,460円(税込み)
名神高速道路が町を横断する蒲生郡竜王町は西の竜王山(鏡山)と東の竜王山(雪野山)の二つの竜王山に挟まれている事に町の名が由来。
中山道に面した鏡地区は中世鎌倉期の中山道の宿場町として発展し、江戸時代には武佐宿と守山宿の間の宿として本陣、脇本陣を有して賑いました。
名神高速道路と中山道(国道8号線)に挟まれ、日野川沿いに整然と区画された広大な水田地帯の中の弓削地区に蔵を構える松瀬酒造は江戸時代後期の万延元年(1860)に創業した小さな酒蔵です。
その松瀬酒造が醸す『松の司』は県内で最も名の通った銘柄の一つです。
まだ下町の小さな酒屋で無名だった東京の「はせがわ酒店」との出会いが運命的な出会いだったとか。
基本地元向けの酒造りを行っていますが、東京でも手に入ります。

基本小売りは行っていませんが、同族が経営する近くの「松瀬酒店」で購入できます。
松瀬酒造の全銘柄が揃います。
住所:滋賀県蒲生郡竜王町林809
電話:0748-57-0104
熟成の度合による風味の向上や変化に強いこだわりを持っており、HPに年度表示ごとの飲み頃温度の説明も載せているほどのこだわりを持った酒蔵。
まず最初の印象は、華やか。
控えめながらも桃の花びらのような吟醸香がここちいい。
飲み口もやさしい旨味がまずあって、やさしい酸味と続く雑味の無いキレ。
うまい。うまいです!!
ああ、キレイでうまい酒だ!!
とにかく、米の持つ旨味と華やかさを引き出したキレイでうまいお酒です。うまい!
お気に入り度:4
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2017年 10月 22日
湖東富貴 ハートランド純米酒[西勝酒造]

醸造元:西勝酒造株式会社
URL:http://www.shuyukan.com/
住所:0748-32-2054
電話:滋賀県近江八幡市仲屋町中21
創業:享保2年(1717)
使用米:-
精米歩合:65%
日本酒度:+3.0
酸度:-
アミノ酸度:-
アルコール度:15度以上16度未満
購入価格:720ml:1,240円(税込み)
近江八幡は八幡堀の水郷風景と江戸時代を偲ばせる古い町並みが残り、映画やテレビのロケの数多く行われている近江八幡は、豊臣秀次20万石の城下町に始まり、また全国に名をはせた「近江商人」の町です。
現在この近江八幡に唯一残る西勝酒造が蔵を構える「仲屋町」は“すわいちょう”と読むそうです。かつて仲買商人の町だったことから、商売の仲買を意味する「すあい」に由来するのだそうです。
西勝酒造は蒲生郡古保志塚村(現在の東近江市市辺町)で庄屋を勤め、苗字帯刀を許されていた初代西村勝右衛門が、江戸時代中期の享保二年(1717)に創業。屋号は西村勝右衛門の名を縮めたものでしょうか。
蔵元は代々「勝」の字を継承しているのでしょうか、現在の蔵元は西村勝治郎氏。
主力銘柄の『湖東富貴』(ことぶき)は、江戸末期に蔵元と親交のあった学者が地相を占い、「この湖東の地、富貴の相あり。」 と言ったことに因み、また「寿」の表音に、湖東富貴の四字を当てたもの。

現在は明治蔵2棟を改装して、ゲストハウス及び多目的スペース「酒遊舘」としてオープン。
一説には自醸していないとの話もありますがどうなんでしょうか。
「ハートランド純米酒」は蔵のある近江八幡の古い町並み保存・まちづくり運動「ハートランド」にちなみます。
色はうすいコハク色。
地酒っぽい牧歌的で芳醇な乳酸香。
澄んだ厚みのある深い旨味と辛口が同居した、うまい酒です。
この蔵の酒の特徴でもある純米古酒をブレンドしたコクのある辛口のお酒です。
燗にすると、古酒ブレンドの独特な風味と香りはどこかに飛んでしまい、澄んだクリアでフルーティーな辛口のお酒になります。
丸みのある酸味と苦味と渋味が効いて食中酒としてもバランスの取れた美味しいお酒です。
地酒っぽいクセがダメな人は燗か常温がいいかも知れません。
燗うまいです。
お気に入り度:3
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2017年 10月 17日
鈴正宗 特別純米 BLUE 火入れ原酒[矢尾酒造]

醸造元:矢尾酒造株式会社
URL:なし
住所:滋賀県蒲生郡日野町中在寺512
電話:0748-53-0015
創業:寛政3年(1791)
使用米:日本晴
精米歩合:60%
日本酒度:-
酸度:-
アミノ酸度:-
アルコール度:17度未満
購入価格:720ml:1,150円(税込み)
矢尾酒造のある蒲生郡日野町は八幡商人、五個荘商人とならぶ近江商人の一つ日野商人の町です。
また奥州藤原氏の流れを組む戦国武将蒲生氏郷が鎌倉時代から豊臣秀吉の時代まで、およそ500年近くの間根拠地とした中世の城下町でもあった場所です。
行商によって富を築き始めた日野商人は次第に店舗経営に移行し、本家・本店の置かれていた日野には豪荘な屋敷が建てられていきます。これが、今に残る日野の古い街並みの中心となっています。
そんな日野商人の古い町並みが残る日野町の中心部から国道307号線を北へ約4km。
矢尾酒造は中在寺(なかざいじ)という小さな集落にあります。ここは旧西桜谷村の中心地だった場所です
日野町には近年まで3件の酒蔵がありましたが、現在残るのは矢尾酒造一軒のみ。
矢尾酒造の創業は江戸時代中期の寛政3年(1791)です。

主力銘柄『鈴正宗』の「鈴」は神社の鈴。そして「正宗」は名刀の代名詞。鈴の音のように美しく広く響きわたり、名刀正宗のごとくキレのある酒を願って銘々。
今回購入した「特別純米 BLUE」はかなりポップな攻めのラベルデザインですが、これは矢尾酒造の新たな販売戦略に基づいて作り出したした新シリーズの一つです。
白ワインのような色の乗った薄いコハク色で、香りは、ふくよかな米って感じです。
旨味のあるどっしりと腰の据わった純米酒ですが、原酒の押しの強さ、重さは一切ありません。
流行の無濾過生原酒に近い印象ですが、火入れされているので角が取れている。
酸味、渋味、苦味が最初の段階からバランス良く融合して来て、重厚な甘みと共にまじりあって、スッと消えていくキレ。
うまい。うまいな〜。
燗にすると、ふくらむ…。
やさしく透明に膨らみますよ〜。
透明だけどしっかりとした包容力のある旨味に漂う感じにうまい。
うまみに包まれたコクの深い余韻。
口福。的な。うまい酒。
お気に入り度:4
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2017年 10月 15日
富鶴 本醸造 本仕込み[愛知酒造]

醸造元:愛知酒造有限会社
URL:http://www.tomitsuru.co.jp/
住所:滋賀県愛知郡愛荘町野々目207
電話:0749-42-2080
創業:明治2年(1869)
使用米:山田錦・日本晴
精米歩合:65%
日本酒度:+2.0
酸度:-
アミノ酸度:-
アルコール度:15度
購入価格:720ml:1,512円(税込み)
滋賀県にあるのに愛知酒造。
これは愛知県ではなく、この滋賀県の琵琶湖東部に位置する愛知(えち)郡に由来。
よって社名は「えちしゅぞう」と読みます。
彦根城、井伊家23万石の城下町、彦根市の南に位置する愛知郡。
平成の大合併で2006年に秦荘町・愛知川町が合併して発足した愛荘町の旧秦荘町にある酒蔵です。
愛知酒造はもともと、現在の場所より3kmほど東の旧秦荘町東出において明治2年(1869)に創業しましたが、地下水に鉄分が多く含まれ、酒に色がついてしまうなど酒造りに適さない場所であった事から、昭和の初めに、より良質な愛知川水系の伏流水が出る現在地に蔵を移転しました。
現在の蔵元、5代目の中村哲男さんの曽祖母にあたる「富さん」が切り盛りしていた事からその名の「富」と、めでたい「鶴」を組み合わせた『富鶴』が現在に続く主力銘柄です。

甘く牧歌的な乳酸香。
飲み口はほんのりと甘く、深く、そして意外にも澄んだ飲み心地です。
透明感のあるスッキリとした淡麗辛口のお酒。
結構大手酒造メーカーの醸すお酒のような、バランス良くスタンダードな印象のお酒でした。
燗にすると、香りも旨味もふくらみ、やさしく、旨い。
これぞ燗酒って感じ。
うまいですよ。
お気に入り度:3
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2017年 10月 14日
一博 純米酒[中澤酒造]

醸造元:中澤酒造有限会社
URL:なし
住所:滋賀県東近江市五個荘小幡町570
電話:0748-48-2054
創業:昭和23年(1948)
使用米:吟吹雪(滋賀県産)
精米歩合:60%
日本酒度:-
酸度:-
アミノ酸度:-
アルコール度:15度以上16度未満
購入価格:720ml:1,240円(税込み)
近江商人発祥地の一つとして知られる旧神崎郡五個荘町。
中世に5つの荘園があった事にちなむこの町は平成の大合併で現在は東近江市の一部になっています。
旧五個荘町には五個荘商人の豪壮な屋敷集落がいくつもありますが、中でも金堂地区の古い町並みは有名で映画やドラマのロケでしばしば登場します。
金堂地区からだいぶ離れますが、近江鉄道本線五個荘駅近くの小幡地区に中澤酒造は蔵を構えます。
昭和23年(1948)に創業しますが、日本酒消費低迷のあおりを受け平成12年(2000)に休業してしまいます。
しかし現蔵元・中沢一洋氏が平成27年(2015)に蔵を再興しました。

酒銘の『一博(かずひろ)』は、酒造りを学んだ中澤酒造や増本藤兵衛酒造場の杜氏を務めた坂頭宝一氏と畑酒造の杜氏・谷内博氏の名前から一文字ずつもらったもの。
香りは控えめですが、栓をあけてすぐには、やや独特なアルコール香がしました。
飲み口はやわかい反面、ビターでウイスキーのような香ばしさ。
かすかにピートのような。
しかし、栓をあけてから数日すると、アルコール香もピートのような独特の乳酸香も消えました。
代わってふくよかな旨味と後味にスッキリとした酸味が残るキレのよいキレイなお酒に。
うまい。
燗にすると、華やかさが花開きます。
雑味がなく、旨味もあってシャープなキレもあるベストな燗酒。
コクがあるのにキレもある。
うまい。うまいよ!
お気に入り度:3/燗:4
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2017年 10月 06日
薄桜 純米酒[増本藤兵衛酒造場]

醸造元:増本藤兵衛酒造場
URL:なし
住所:滋賀県東近江市神郷町1019
電話:0748-42-0129
創業:明治元年(1868)
使用米:吟吹雪
精米歩合:60%
日本酒度:+3.0
酸度:1.6
アミノ酸度:-
アルコール度:15度以上16度未満
購入価格:720ml:1,296円(税込み)
2006年に東近江市に編入された旧神崎郡能登川町。
近江商人の一つ能登川商人発祥の地であり、古くから麻織物の産地として知られ、明治以降は紡績産業で栄えた町。
琵琶湖水運における長浜・大津間の寄港地・能登川港があった事からこの地域の総称となり、港から遠く離れた内陸に敷かれた官設鉄道の駅名もまた能登川となりました。
ちなみに、能登川は中世から続く地名ですが現在能登川という名の川はありません。
が、一説には町内を流れる小さな川、瓜生川の一部が「のと川」と呼ばれていたとか。
さて、東海道本線と東海道新幹線に挟まれた田園地帯の一角に蔵を構える増本藤兵衛酒造場は、明治元年(1868)に初代、藤兵衛により創業しました。
主力銘柄の『薄桜』の読みは「うすざくら」ではなく「うすさくら」と濁らない。
創業当時、近くの神社の境内に大変美しい桜が咲いたことに由来します。
近年は純米無ろ過酒を『近江藤兵衛』の名で市場へ投入。
また、新しい純米酒シリーズ『花と猫』なども展開。

香りはひかえめ、飲み口は吟醸酒レベルの清冽な華やかさ。
旨味のあとにくるガツンとシャープな辛口。
やや押しの強いキレのある酒。
味わうと甘みが広がる、バランスの取れたうまさ。
うまい!
燗にすると、甘みが爆発的に増してふくよかで濃醇な旨味に包まれます。
ああ、キレイうまい。
でも後半から強めの酸でキリリと引き締めます。
おお、これは冷やでも燗でも、ベストな食中酒。
うまいです。
ほっこりします。
お気に入り度:4
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2017年 10月 04日
猩々菊 純米酒[音瀬歌子酒造場]

醸造元:音瀬歌子酒造場
URL:なし
住所:滋賀県彦根市高宮町1079
電話:0749-22-2136
創業:明治初期年
使用米:-
精米歩合:65%
日本酒度:-
酸度:-
アミノ酸度:-
アルコール度:15度以上16度未満
購入価格:720ml:1,200円(税込み)
井伊藩の城下町として栄えた彦根市の東郊外、近江鉄道本線と近江鉄道多賀線が分岐する高宮駅の西側に古い町並みが残る高宮という街があります。
この高宮は江戸時代に中山道69次の江戸から数えて65番目の宿場町であり、また古くから「お多賀さん」として親しまれている多賀大社参道口に発達した門前町でした。
中山道の中では現在の群馬県にある本庄宿に次いで2番目に大きな宿場町だったといいます。
町並みの途中にあり高宮郵便局のすぐ脇に建つ大鳥居が多賀大社の参道口。
その鳥居をくぐったすぐ先に『猩々菊』というお酒を醸す音瀬歌子酒造場があります。
酒銘の『猩々菊』の「猩々」(しょうじょう)とは、古典書物、謡曲や能にも出てくる酒好きの妖怪の事。
もっとも近年ではオランウータンの漢名として使われています。
ちなみにチンパンジーは黒猩猩。ゴリラは大猩猩とされています。

現在、音瀬歌子酒造場では自醸していません。
ただし、ラインナップは豊富です。
ラベルデザインも一新しました。
純米酒ですが、バニラのような、そしてメロン、バナナのような香りがします。
雑味が無く、透き通った、ほのかに華やかな飲み口。
そして、ささやかな酸味がアクセント。
やさしく、まるい飲み口。
後半に苦味、渋味がほんのりと。
スッキリフルーティーなのみごこち。
燗にすると、めちゃうまい。
雑味が無く、ほどよくやさしい甘み。
口福感あります。
だれないキレ。これは燗がうまいです!!
大手蔵のような安定感。
造っているのは多賀町にあるあの蔵かな?
お気に入り度:3
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